ここまでは一般的な温度変化を伴う热応力解析について述べてきましたが,ここでは鋳造プロセスにおける现象に着目した热応力解析について説明します.
鋳造プロセスにおける现象,とは具体的には「凝固」です.製品に発生する热応力は冷却中の热収缩や弾塑性挙动によって生じますが,鋳造プロセスの最初の状态は溶融金属,すなわち液体の状态で,液体はある程度自由に移动できる状态ですので,外力などが负荷された场合,内部応力やひずみが生じることなく,液体が移动する形で外力の结果が表れます.
しかし凝固して液体から固体に変化すると,固体となった鋳物の刚性に応じて内部応力やひずみという形で外力の影响が表れることになります.
ではどこで外力の影响が応力として现れるようになるのでしょうか.
一般に凝固金属は液相线温度から固相线温度まで温度低下する过程で,鋳物全体としてのマクロ的な凝固については下図のイメージのように固相率が0から1まで変化することで凝固を表现します.例えば固相率0.1の状态を想像すると,液体の中に1割だけ固相がある状态ですが,溶融金属の中に固体の结晶核が点在しているような状态を想像すると,これは振る舞いとしてはほぼ液体と同じであり,応力は0と考えて问题ないでしょう.
ではいったいどの固相率から応力が発生するか,が问题ですが,これは合金によって形成される凝固组织も异なりますので正确に决定することは难しく,解析する方の経験やデータに基づいた设定によらざるを得ません.
笔谤辞颁础厂罢ではこの応力计算を始める固相率を初期设定0.5として计算されますが,この値をユーザーが设定して计算を行うことができます.
この応力计算开始の固相率を変化させて计算すると,下図のように応力値が异なってくることがわかります.ケースによりますが,最终的な凝固后の応力値に大きな差がなければ製品としての残留応力评価には影响は少ないと言えますが,点线で囲んだような凝固冷却中の応力値として差が生じる场合には,例えば凝固中に発生する热间割れ発生には影响を及ぼすことになりますので目的に応じて适切な応力解析设定が必要と言えます.
鉄钢材料メーカーの製钢鋳造プロセス研究技术者を経て2000年日本イーエスアイ株式会社入社.鋳造,溶接といった热加工プロセス,材料技术に従事.